モーハワイ☆コム

アーカイブ: 2015年12月

ハワイ島でデング熱流行 僕のせいじゃありません Part 3


201512 Cameleon201512 net

デング熱の広がりがとまらない。

146人の感染がハワイ島で報告されている。

うちはノースコナの北端で、感染数が少ない地域だが、ここから20キロほど南のサウスコナのコーヒー畑ではメキシコ人のピッカーたちにも感染者が出ているらしい。

州の衛生局の役人がホノルルから来たときには、都会っぽい洗練された服装と立ち居振る舞いで、田舎の我々には、立派な専門家が来てくださったのでこれで安心と思ったものだが、彼らではまったく手に負えず、ついに世界保健機構とCDC(連邦政府の専門家)も投入された。

畑の中は蚊がいっぱい。長袖・長ズボンで、顔に大量の虫除けクリームを塗っても一日に顔に数箇所、多いときは10箇所ぐらい刺される。特に涼しい朝夕に多い。気温の上がる昼間には少なくなるが、コーヒーの木の中に頭を突っ込んでコーヒーを摘んでいると、木の中の奥まったところの葉っぱの上に隠れている蚊と目が合ったりする。お休みのところすみません。パチン!

蚊に刺されないように顔にネットをつけて摘んでいたところ、何かがネットの後頭部に引っかかっている。枝かと思って手で振り払おうとしたら、「キュー」と鳴く。よく見たらカメレオン。角が生えているので雄。こんな所で捕まってないで、たくさん蚊を食べてくださいね。

さて、私がデング熱で入院したのは6月。ハワイ島での栄えある第1号だ。デング熱にもウィルスのタイプが4つあり、私が罹ったのも、今回流行しているのも同じタイプ1。もしや?と心配していた。

州政府の発表によると、今回流行しているウィルスはフレンチポリネシア(タヒチなど)からのものと判明した。私が感染したのはブラジル。晴れて、犯人は私ではないと科学的に証明されました。別に、めでたくもなんともないけど。

感謝祭に畑から七面鳥が消えた Part 2


201511 Turkey


 うちの畑には普段は20羽以上の七面鳥(ターキー)が住んでいたが、先週の感謝祭の日を境にメス3羽のみに減ってしまった。

 感謝祭といえば、アメリカでは七面鳥を食べる日で「七面鳥の日」(Turkey Day)とも呼ばれたりする。

つまり、誰かが我が家の七面鳥を捕まえて食べたか売り飛ばしたのではないか。

 七面鳥は用心深い。夜は畑の中の高い木の枝で寝る。夜が白んでくると、まず、小鳥たちがさえずり出すが、七面鳥は用心深く、まだ静かにしている。だいぶ明るくなってから、やっと「クワッカカカカー」と鳴き声をあげだして、下界の安全を確認してから降りてくる。常に集団で歩きながら畑中の餌を探しながら一日を過ごす。

家庭菜園にしょっちゅう侵入してくるので追い払うために、追いかけまわすが、逃げ足が速くとても捕まえられるものではない。20羽を素手て捕まえるのはとても無理。なので、誰かが私の畑に侵入し、鉄砲で仕留めたのではないかと疑っている。英語でTurkey shoot(七面鳥撃ち)といえば、成功の確率の高い絶好のチャンスの意味。きっと20羽は簡単に仕留められるのだろう。

ところで、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日はブラックフライデーと呼ばれクリスマス商戦の開始の日。小売業者が黒字(ブラック)になる金曜日の意。一年でもっとも売り上げが多い日で、各店が大安売りの目玉商品を並べて人を呼ぶ。最近は木曜日が明けた夜中の12時から店を開けるところが増え、人々が行列をなす。

なんと、今年のブラックフライデーは一日の拳銃(Gun)の売り上げの新記録を作ったそうだ。ブラックフライデーは拳銃も割引の対象となるのかと驚きだ。今日もカリフォルニアで痛ましい銃乱射事件があった。もう、うんざりだが、拳銃の売り上げ新記録は、昨今のテロの増加によるアメリカ人の自衛意識の高まりの表れであろう。

自衛権はアメリカ憲法で保証されており、拳銃の規制が進まないのは、銃規制は自衛権の否定で憲法違反との認識が根強いからだ。憲法も自衛権も結構だが、勝手に人の畑の七面鳥を撃つのはご遠慮願いたい。

アメリカではクリスマスにも七面鳥を食べる家庭が多い。今回はメスが3羽生き残ったが、さて、彼女らの運命は如何に!

コナコーヒー農園便り 2015年12月号 世界一のコーヒー


201512 red cherry

【山岸農園カップコメント】

クリーンカップ、

甘味(スイート)、

チョコレート、果実の甘さ、

ラズベリー、ブラックカレント、

スムース、赤りんごの酸味


かつて私はウォール街でFund of Hedge Fundsの運用をしていた。2000年、ITバブル破裂の思惑が的中。世界同時株安の中でも2桁の利益を上げた。おそらく、あの年は同様のタイプの運用では世界一だったと思う。だが、良い事は長くは続かない。翌年9月11日の同時多発テロでオフィスを失い、1年間プリンストンに移転。片道3時間の通勤は辛い。部下のアナリスト達はヘッドハンターの標的となった。多くの友が去り、グループは崩壊。運用成績も低迷した。世界一を維持するのは、とても難しい。   

 

ところで、私のコーヒーは世界一の品質。シアトルや東京のサードウェーブ系の店を回っても、これほどのコーヒーに出会うことはない。コーヒーの生産を始めて、たった8年で世界一。どうしたことか。実はこれには裏がある。

 

私はクリーンカップは農家の努力の通信簿と思うので、その観点からコーヒーを評価する。コーヒーの専門家はそのような評価をしない。つまり、私は勝手に世間とは違った評価をし、自分のが一番と悦に入っている。究極の手前味噌だ。

 

 例えば、専門家はナッツやチョコレートのフレーバー、シトラスのような甘み、フローラルな香りなどと、コーヒーの特徴を評価する。あれくらい繊細な感覚があればこそプロだと感心する。私なんぞは、ワインのセミナーで、ラズベリー、シナモン、アーモンドなどと香味の特徴を書くところを、すべてブドウと書いて提出したくらいで、お恥ずかしい限りだ。だって、本当にブドウの味がしたんだ。絶対にブドウだ。自信がある。

 

しかし、クリーンカップ重視は、あながち的外れでもない。コーヒーが飲めない人は渋み、えぐ味などの雑味があるから飲めないのだ。酸味が赤りんごでなく青りんごだから、これは飲めないという訳ではない。健康に育て、完熟した実だけを摘むとクリーンな香味が生まれる。農家の努力の結晶だ。だから、生産者の私はクリーンカップ至上主義を標榜する。

 

農園主である私と妻は、自分らが中心にコーヒーを摘む。一般に日本で流通するコーヒーで、農園主が自ら摘むコーヒーはない。コーヒー摘みは肉体的、精神的に辛いので誰もやりたくない。すべて、季節労働者か機械が摘む。これではきれいな収穫は難しい。

 

加えて、品種がティピカ種。ティピカ種は最高品質の品種だが、病害に弱く、生産量も少ないうえに、手間がかかる。だから、世界中、品質を犠牲にして、生産効率の高い品種を育てる。ティピカは、コナやブルーマウンテンなどに残るだけ。ティピカを丁寧に手摘みし、きれいに水洗し、天日乾燥したものはコーヒーの保守本流。コーヒー本来の味だ。

 

日本のコーヒー関連の本には、焙煎や抽出のこだわりの工夫が100ページ以上に渡って語られる。しかし、大抵は最後に、良質の豆を入手することがもっとも重要だとあるが、良質の豆を生産する方法の記述はない。焙煎や抽出のこだわりは研究が進んで、改良の余地は少ないだろう。しかし、コーヒー畑では、工夫の余地が山のように残っている。私がちょっと工夫しただけで世界一と自画自賛できるのはそういうことだ。畑は宝の山だ。

かつてコナの日本人移民が世界で一番、生真面目にやったからこそ、今でもコナコーヒーは他国よりも高価格で取引される。日本人的気質はコーヒーに向いているかもしれない。コブラジルでもコーヒーは日本人移民が作り上げた。我こそは、世界一のコーヒーを生産したいと思う方は、どうぞハワイ島コナへ。