モーハワイ☆コム

雑草との闘いは人間が勝手に作った概念。でも闘う。


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雑誌「珈琲と文化」2018年夏号に拙稿が掲載されたのでHPへ転載しました。雑草との格闘に関してです。ご笑覧ください。
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初摘みコーヒーは破棄


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今年はコーヒーの開花が変だ。うちの農園では、昨年末に少し先始め、2~3月に大量に咲いてコナスノーとなったが、その後もチョコチョコと咲き、いまだに咲き続けている。困ったものだ。

一方、収穫は8月頃から始まる予定で、10~12月がピークになると思う。

同じコナでも、畑により開花時期や収穫時期は異なる。今年は標高の低いサウス・コナの農園ではコーヒーの収穫が始まっており、既に3周もしたという話を聞いた。

うちの農園でも、気の早いあわて者の実が赤くなり始めている。予定よりも一カ月も早く赤くなったので、品質は良くない。もったいないけど、赤くなった実や赤くなり始めたものはすべて摘み取って破棄。今年収穫予定量の0.2%位で量は少ない。コーヒーに関しては、いわゆる「一番摘み」「初摘み」の品質はよくない。

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マカデミアナッツの殻をコーヒー畑に撒く


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マカデミアナッツの殻を買った。コーヒー畑に撒く。一年間に収穫するコーヒーの実の有機物に相当するマカデミアナッツの量はトラック一杯分。それを畑に投入すれば、有機物の量はバランスする。

マカデミアナッツはEM菌をかけて、2週間ほど発酵させた。これに有機肥料を混ぜながらコーヒー畑に撒く。この肥料は魚の骨を炭化させEM菌を混ぜ込んだ物なので、畑中が魚臭い。でも大丈夫、コーヒーは魚臭くなりません。
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フレーバー石鹸を食べてみた


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日本人が使う英単語で英米とは意味が違うものがある。例えば、ヒップ。日本でヒップとはお尻を指すが、英語のHipは腰(骨盤の横)、あるいは股関節を指す。日本語 でヒップアップとは運動等で骨盤の前傾姿勢を保つ筋肉を鍛えて上向きの美尻を作ることを指すが、英語ではそうは言わない。2月の農園便りで記した通り、そもそも黒人・白人は日本人に比べて骨盤が前傾しているので、お尻は自然体でも上を向いている。

ナイーブも違う。日本で「彼はナイーブだ」というと、「繊細だ」という意味で肯定的に使われることがあるが、英語のNaïveはネガティブな意味。”You are Naïve”などとうっかり言ったら、「世間知らず」、「経験が足りない」という悪口になる。以前、友人が私のコーヒーを「とってもナイーブ」と表現した。純真、素朴、あるいはデリケートな味ぐらいの意味で使ったのだろうが、英語だと経験不足・実力不足のコーヒーとなってしまう。面と向かってそんなことを言われても困る。

コナコーヒーの等級は上から、Extra Fancy, Fancy, No.1, Select, Primeと続く。この中のFancyという単語も要注意。日本語でファンシーは空想的なさま、少女趣味的なさまを表す。確かに、英語でも空想的な意味合いがあるが、より一般的には高級な、豪華な,お洒落なという意味。我々コナコーヒー農家はExtra FancyやFancyを決して「これヤバ、まじでカワイくない?」という意味では使っていない。「高級」という意味である。たとえハローキティの絵のついたExtra Fancy Coffeeがあったとしても(本当にあるかどうかは知らないが)、「キティーちゃんぽくってかわいいコーヒー」という意味ではない。

先日、コーヒーに関する日本のテレビ番組で、「Flavor(香り)」と誤訳しているのを見かけた。これもよくある誤解。英語のFlavorは香りではなく味。口に入れた感覚だ。確かに、古英語では香りを意味したこともあるので英和辞典に香りという訳が載ってはいるが、現代では口に入れた際の感覚を指す。ただし、Taste(味)とは違う。Tasteは甘味 · 酸味 · 塩味 · 苦味 · うま味などの味を意味する。一方、FlavorはTaste(味)に、Aroma(香り)やMouthfeel(口当たり)を統合した感覚を表す。日本語の風味に近い。

日本でフレーバー・ソープなるものを見つけた。香り付き石鹸と言いたいのだろうが、これでは味付き石鹸だ。お土産に配ったら「日本人は石鹸を食べるのか?」と、とてもうけた。そこで、一応念のため食べてみた。封を開けるとイチゴミルクの良い香り。期待は高まる。口に入れたら、なんと本当にイチゴの味がした。最近は日本では石鹸を食べるのかと感心して、調子に乗ってどんどん食べたら、気分が悪くなった。これには泡を食った。ブクブクブクー。やっぱり、石鹸を食べてはいけない。

コーヒーの世界では香りはFragrance/Aroma。Specialty Coffee Associationのカッピングの評価項目は10項目。最初の3項目は、1)Fragrance/Aroma(香り)、 2)Flavor(風味)、3)Aftertaste(後味)。Fragranceがお湯を入れる前の挽いた粉の香り、Aromaはお湯を入れた後の香り。Dry FragranceとWet Aromaともいう。Flavorは味と香りと口当たりを統合したもの。そして、Aftertasteは、コーヒーを飲み込んで、香りや口当たりが消えていった後に残る味、余韻を意味する。

最後に、Yamagishi Coffeeといえば、日本では「山岸が作っているコーヒー」ぐらいの意味だが、ハワイでは「コナで最も品質の良いコーヒー」という意味で使われる。高品質のコーヒーを、This coffee is almost like Yamagishi Coffeeと表現するが、「あの山岸コーヒーに並ぶくらい素晴らしいコーヒー」という最大限の賛辞である。(真っ赤なウソです。そんな賛辞は、わが家でしか通じません。)
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ホノルルにある鎌倉の大仏様


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ホノルルのFoster植物園に鎌倉の大仏のレプリカがある。

今年はハワイに日系移民が来てから150年の節目。ちょうど50年前に神奈川県知事が100周年を記念して寄贈したのがこの大仏。

これを見物していたら、アメリカ人の4歳くらいの男児と母親が通り過ぎて、

「ママ、どうしてこの人寝てるの?」

「疲れてるのよ。」

大仏様、お疲れのご様子で。。。

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コーヒー畑の七面鳥の卵が孵った


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七面鳥は4週間も卵を抱えていた。昨日、卵が孵った。9羽。鳥なので雛はしばらく巣で育つのかと思ったら、さっさと歩きだした。母親にくっ付いて行ってしまった。巣にはまだ孵っていない卵がいくつかあるのに、一家で出かけたきり帰ってこなかった。

この時期、親子で行列を作って畑を徘徊する七面鳥が何家族かいる。それぞれ雛はたくさんいても週に一羽づつ減っていき、大人になるのは一家族で1羽か2羽。

昨日の午後は、さっそく家の上空からピーという時代劇風の音が。見上げると、3羽の鷹が上空を旋回。コーヒー畑にはフクロウもマングースもいるし。
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コーヒーの木の剪定後の作業


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年初に膝の高さに剪定した木には、数十本の幹がはえてくる。そこから余分な幹(Sucker)を取り除き、3~4本の幹を選んで大きく育てる。まず、この時期に6~7本を選び、初秋に3~4本に絞る。写真は余分な幹を取り除く前と後(同じ木)。さっぱりしました。

ちなみに、七面鳥が卵を抱えている株には手を付けられなかった。母親七面鳥に突かれそうで怖い。

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Kilaueaが噴火してコナにVogが来た


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ハワイ諸島には東北東から貿易風が吹く。常夏のハワイが爽やかに感じるのは、このひんやりとした北風のおかげ。一方、ハワイ島西海岸のコナは背後(風上)の大きな山に遮られて、この貿易風が届かない。その代り、日中には西側の海から海風が吹き込み、逆に夜には山から風が吹き下ろす。これがコーヒーに最適の気候をもたらす。

コナはフアラライ山とマウナロア山の山麓にある。コナの朝は快晴。日が昇ると温められた空気は山腹を駆け上がる。代りに海から湿った西風(コナ風)が入って上昇気流となる。山麓は昼前には曇り、午後にはしとしとと雨が降る。

ハワイ諸島でこの気候パターンを持つのはコナの標高200~800mのコーヒーベルトと呼ばれる限られた地域だけ。コーヒーに最適の雨量。また、コーヒーは直射日光が苦手だが、昼前から曇るので日陰樹が必要ない。

夜は、昼とは逆に、山から冷えた風が吹いてくる。これが昼夜の寒暖の差を生む。コーヒーは実に栄養をしっかり蓄えようとして味が調う。私の住む標高600mでは昼は気温が26度位まで上がるが、夜は15度近くまで下がり肌寒い。だから、我が家にはエアコンはない(暖炉はあるが)。ここの気候はコーヒーにも良いが人間の体にも良い。

しかも、うまいことに適度に乾季・雨季が分かれ、コーヒー栽培にはもってこい。収穫シーズンの冬は乾期。夏より気温が低いので、水蒸気の量が減り、曇りはするものの雨には至らない。収穫期に雨が多いと、カビや腐敗が起きやすく、品質が安定しない。

コーヒーに最適な気候をもたらすコナ独特の海風だが、最近困ったことになった。

キラウェア火山は1983年より噴火が続く。これまで火口が2つあったが、5月に新たな場所から溶岩が噴出し始めた。これが、たまたま住宅地だったので、大きな被害が出た。いきなり家のそばから溶岩が噴き出て家を焼失した方は本当にお気の毒である。既に東京ドーム200個分の土地が溶岩流に飲み込まれた。一方、コナはいたって平穏だ。ハワイ島の面積は東京都の5倍。東京ドーム221,915個分。しかも、コナは標高4,169mのマウナロア山を挟んで島の反対側。100km以上離れているので直接的な影響はない。

しかし、噴火のせいで空気が悪い。写真のように火山から出た亜硫酸ガスは貿易風に乗り、ハワイ島の南西(左下)の方向へ抜けていく。しかし、前述のコナ特有の海風が、せっかく南西の海上に抜けたガスの一部を吸い寄せ、コナに引き寄せる。

コナ地区の亜硫酸ガスは人体に影響が出るとされる水準を大きく下回っている。もちろん、コーヒーの木に影響する事もない。コナ方面への旅行客は安心してよい。いまだ禁煙の進まない日本の居酒屋よりはましだろう。

ただし、家から海を見下ろす景色が霞むことが悩みだ。亜硫酸ガスが水分と化合すると、空気が霞む。火山(Volcano)からのスモッグ(Smog)でヴォグ(Vog)と呼ばれる。風向きによって、景色の良い日もあるが、数日で、またVogが戻ってくる。

休暇でコナに来ていた頃は、コナの青い空と海の景色が印象的だったが、2008年に移住した途端に、噴火口が2つに増えて、景色がモヤモヤーと霞むようになった。そこへきて今回の新たな噴火。Vogがさらに増えた。景色が悪いと気分も冴えない。

コーヒーに恵みをもたらすコナ独特の海風だが、とんだ迷惑を引き込んでいる。火山は観光の目玉でハワイ島の重要な観光資源ではあるが、私としては、早く噴火が止んで、景色も気分もスッキリしてほしいものだ。ここまで書いたら、今日は強烈なVogがやって来た。真っ白で海が見えない。ヤメテ~~!
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コーヒー畑の七面鳥


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カナダ旅行から帰ってきたらキッチンの窓の外の植え込みに七面鳥のメスが座っている。卵を抱えている。最初に気が付いた時は卵は5個ぐらいだったのに、今は15個ぐらいある。

今日、コーヒー畑で草むしりをしていたら、コーヒーの木のそばにもう一羽卵を抱えている七面鳥を発見。

ネットで調べたところ毎日1個づつ産んで、十数個を産み終えてから孵化するまで何も食べずに28日間も座りっぱなしだそうだ。

夕方、雨が降ってきた。それでも座っている。
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根回し


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金融用語にStock(株)やYield(利回り)など、農業由来の単語がある。Stockは日本語と同じで切株が転じて株式。Yieldは作物の収穫が転じて利回りの意味で使われる。農業は種を撒いて、果実や種を何倍にも増やす活動だから、そもそも投資の原型である。それに、昔はどの国も人口の8割以上は農民。農業用語が言語の中心だったのだろう。


日本語の「根回し」も農業用語。樹木は植え替える前に根回しをする。植木屋さんの友人に伺ったところ、大きい木だと、根回しは植え替えの2~3年も前から始まる。根回しとは、木の根元の周りを掘り、横へ伸びる太い根を切って、再び土をかけること。すると根元の近くに細根がたくさん生えてくる。細根が充分生えた頃を見計らって植え替える。これで植え替え後も、根は養分・水分を吸うことができる。時間をかけて準備するからスムーズに定着する。これこそ日本のお家芸。さすが植木屋さん。


農業由来の根回しだが、一般にも転用される。組織の意思決定プロセスには必須。きちんと根回しが出来てこそ、一人前のサラリーマンだ。日本の会社はアイデアを出し実行する人が、決定する人とは違う。だから、根回しがあって、稟議制度がある。若い人が発議して、稟議がグルグルと会社内の権限者を回って承認を取るので、事前に根回しが必要だ。


ところが、アメリカでは少し違う。もちろん、最低限の根回しは必要だが、組織の在り方が違う。アイデアとその実行力のある人が、年齢に関係なくボスになり権限をもつから、自分で考えて実行して完結する。意思決定が速いし、責任の所在もはっきりしている。


NYのメリルリンチへ転職して数カ月たった頃、ケイマン諸島に子会社を作る必要ができた。ボスとそのまたボスと相談して了解を得たら、社内弁護士と関係部署数人で15分間の電話会議をして終わり。2週間後には子会社が出来上がり、私は子会社の役員に就任した。たったの2週間。これにはたまげた。


もしこれが、日本の銀行ならばどうだろう。考えただけでも気が遠くなる。担当者と課長は部内の総務の課長と担当者と企画書を練り上げて、部長と副部長を説得。その後、企画書を持って、銀行内の総務部、企画部、システム部、事務部、人事部、検査部などを行脚し、各部の担当者に根回しをする。もちろん、当局への報告・許認可手続きの為の根回しも欠かせない。すべての合意が取れて、やっと稟議を発議。稟議書が各部を周った後、役員、頭取の了解を得ることになる。ところが、稟議の決裁後、いよいよ子会社設立の段になって、稟議を法務部に回し忘れていたのに気が付いて、厳重注意を受け、稟議もまともに書けない奴との烙印が押され、サラリーマン人生の汚点なんてことになる。


これほど意思決定に時間と労力がかかっては競争にならない。そのうえ、こんなに大変だから、サラリーマンは根回しのコツを覚えることに人生をかける。根回しの上手い下手がその人の会社での存在価値みたいになる。これでは社員の能力の無駄遣いだ。根回しはサラリーマンの勲章、日本のお家芸だが、実は日本経済の足を引っ張る風習かもしれない。


さて、先日、大きなハラの木と15m以上あるヤシの木を植え替える必要がでた。業者に依頼したところ、陽気でフレンドリーなハワイアンのオッサン数人がブルドーザーとシャベルカーでやって来た。いきなり木の周りを掘って、引っこ抜いて、新たな場所に穴を掘って、木を差し込んで、土をかぶせて肥料と水をやって、一日で終わり。さすがアメリカ、南国ハワイ。こいつら根回ししねーんだ!


日本のお家芸は世界で通用するのか?


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