モーハワイ☆コム

コーヒー摘み 第2ラウンド


201809 picking 1 201809 picking 2 201809 picking 3

コーヒー収獲中。今シーズン2ラウンド目。

暑い。水分補給が欠かせない。鶏にも水をおすそ分け。
http://yamagishicoffee.com/

コーヒーの香り FragranceとAroma


201809 aroma
SCA (Specialty Coffee Association)のコーヒー評価基準の第一項目は「香り」。しかも、その内訳としてFragranceとAromaの2つがある。二番目がFlavor(味・風味)。

香りに関し、消費財には決まりがある。香水、石鹸、シャンプーなど口に入れない商品の香りはFragranceという。一方、食品、歯磨きなど口に入れる物にはFlavorを使う。Flavorは口に入れた際のTaste(味)とAroma(香り)とMouthfeel(口当たり)を統合した感覚。日本語の風味に近い。口に入れると、香りは味と渾然一体なのでFlavor を使う。だから石鹸やシャンプーにFlavorは使わない。石鹸を食べてはいけない。

日本語には「におい」と「かおり」の2単語くらいしかないが、英語には香りを表現する単語はSmell, Incense, Scent, Aroma, Perfume, Fragrance, Odor, Stink, Stench, Reek, Rankと多い、それぞれ微妙に意味が異なる。

SCAではコーヒーを口に入れてFlavorを確かめる前に、FragranceとAromaと2種類の香りを官能する。それぞれ、定義があり、粉砕した粉の香りをFragrance、お湯を入れた後の香りをAromaとする。Dry FragranceとWet Aromaとも呼ぶ。カッピングは通常35分位かけるなかで、FragranceとAromaに15分位を費やすのでかなりの比重だ。

まずは挽いた豆のDry Fragranceを官能する。その際、生豆の中の酵素(Enzymatic)に由来する香りを中心に探していく。Flavor wheel (SCA作成の香味一覧表)の中の、花(ローズティー、コーヒーの花、ハチミツ)、果物(レモン、アプリコット、リンゴ)、ハーブ(ジャガイモ、ハーブ、キュウリ)などを参考に自分の感想を記す。もちろん、香りは個々人の経験と感性によるので、この表に限らず、人によってまちまちとなる。

次にお湯を注いで、Wet Aromaを官能する。焙煎で糖分が焦がされて生成される物質に由来する香り(Sugar Browning)などを探す。キャラメル(バター、キャラメル、ローストピーナッツ)、ナッツ(アーモンド、ヘーゼルナッツ、ウォールナッツ)、チョコ(バニラ、トースト、ダークチョコ)などが代表。その他、長くなるので説明は省くが、Dry DistillationやAromatic Taintsを感じればそれも記す。

日常ではFragranceとAromaの区別は曖昧。なぜ、SCAはその2単語をそう定義したかに興味がわき、コーヒー鑑定士仲間で議論してみた。こんな意見が出た。

まず、アル・パチーノ主演の映画「Scent of a Woman」のScentは人間や動物の体臭。一方、FragranceとAromaは花やフルーツや香料など植物によく使う。その際、両者の差はあまりない。セラピーもAroma TherapyともFragrance Therapyともいう。香水はFragranceをよく使うが、Aromaも可。色々例を挙げても、両者に違いはあまりない。

強いて違いを言えば、Fragranceは鼻から入る香りの一方向だが、Aromaは鼻から入る香りと口から鼻に抜ける香り(レトロネーザルアロマ)の2方向をカバーする。そう考えると、確かにAromaは料理に多く使う。生きた牛の臭いはScentだが、ステーキにするとAroma。Fragrantな香辛料をお湯に入れてかき回すと、素敵なAromaのスープができる。だから、コーヒーはお湯を入れる前がDry Fragranceで入れた後がWet Aromaなのだろう。確かにFragranceは乾いた感じで、Aromaは湿った感じがする。

香水をつけた女性からは素敵なFragranceがするが、少し汗ばんだ体からはAromaが立ち上るという説も出た。なんだか話が色っぽくなってきた。

ハワイも夏は暑い。畑から汗だくで帰って、妻に「どう、僕のAromaは?」と問うてみた。『うわっStinky!ゴホゴホゴホ。早くシャワー浴びて。」と答えが返ってきた。

http://yamagishicoffee.com/

コーヒー摘みの季節到来 第一ラウンド開始


201808 coffee pick1
コーヒー摘みの季節到来

収獲の第一ラウンド本日開始。

今日は友達にも手伝ってもらいはかどった。

第一ラウンドは量が少ないので、明日には終わる予定。

これから3週間ごとに1月まで摘み続ける。

 

収獲は標高の低い農園から始まる。もう第4ラウンドだという農園もあるらしい。

やっぱり収穫は楽しい。

このために一年やってきたんだから。

http://yamagishicoffee.com/

コーヒーの香り


201707 cupping1
日本には日本人は味覚に鋭敏だと信じる人が多い。食品総合研究所によると、日本語には味覚表現が多いそうだ。英語の食感用語は77語に対し、フランス語は227語、日本語は何と445語にも上る。日本人が味覚に鋭い証拠としてネット等で引用される。

米国人のコーヒー鑑定士(Q Grader)とコーヒーを飲んだら苦かった。私がBitter(苦い)と言うと全員が賛成。しかも渋かった。渋いという英単語が思い浮かばないので、ピーナッツの皮のような味と言ったところ、”OK, Bitter”との返事。さらにえぐかった。火の通っていないナスと説明したところ、またもや”OK, Bitter”。なんでもBitterかよ。随分と大雑把なBitterだなあと思った。

ところが、彼らの嗅覚は鋭いし、表現が豊かだ。私にはチンプンカンプンだが、彼ら同士ではお互いに納得しあっている。私はお手上げだ。

そういえば、嗅覚に関して、それを表す名詞は「におい」と「かおり」の2語しか思いつかない。英語ではSmell, Incense, Scent, Aroma, Perfume, Fragrance, Odor, Stink, Stench, Reek, Rankなど、多くの単語があり、それぞれ微妙に意味が異なる。

「かおり」と訓読みする漢字を調べたら、香、芳、薫、馨、馥、芬、馝、飶、苾など、たくさんある。中国では別の単語なのに、日本ではすべて「かおり」と一括り。食感用語の多さが味覚の優秀さの証拠なら、嗅覚用語の少なさは劣っている証拠なのか。

日本の香り文化にお香がある。子供の頃、親に付き合わされたが、あまり楽しくなかった。香りよりも雲母板に興味を引かれ、遊んで叱られた。そもそも、香の世界では、なぜ香りを「聞く」のだろう。「嗅ぐ」は不粋とされる。「香」は、動物的な嗅覚ではなく、精神性を持って心で「聞く」のだそうだが、嗅覚は卑しいという認識があるのか。

そういえば、日本には香り重視の嗜好品が少ない。欧州の嗜好品の紅茶やコーヒーは香りを楽しむ。日本の緑茶の香りも良いが、紅茶ほど強くない。むしろ、旨味が特徴だ。

お酒にしても、ワインは香りが命。だから丸みを帯びた筒状のグラスに少しだけ注ぎ、グラスをグルグルと回転させて、香りを楽しんでから、口に含む。一方、日本酒は器に、なみなみと注ぎ、オートットトトッーと唇を尖らせて口から迎えに行くのが、我々オッサンの礼儀作法だ。これでは香りを鑑賞する間もない。日本酒は香りよりも旨味の文化。酒と肴が互いの旨味を引き立て合うのが醍醐味だ。

日本人のウィスキーの飲み方も英国人とは違う。彼らは”Don’t drink whisky without water”という。ただし、 ”Don’t drink water without whisky” と続く。ウィスキーも香りが命。一滴でもよいから水で割って香りを揮発させて飲む。ただし氷は香りが立たないのでダメ。なのに、日本では水割りに氷は入れるは、オンザロックで飲むはで、香りには無頓着。

コーヒーの審査員をしていると、紅茶、コーヒー、ワイン、ウィスキーではなく、若い頃からお茶とお酒とビールで味覚を形成した私は、香りを言葉で表現する訓練が欠けていると感じる。(いや、単にガサツな食生活の私が日本文化のせいにして申し訳ない。)

住宅から畳のい草臭やヒノキの香りは消え、通りのうなぎ屋はレトルトになり、スーパーには消臭グッズが並ぶ。日本は無臭化しているのだろうか。

最近はワイン業界をまねて、我々もコーヒーを様々な食品の香味で表現する。例えば、「このコーヒーはアプリコット、ローズティー、ブラックカラント、、、」など。しかし、一般の日本人からすれば、気取っていて、嫌味にさえ見える。別に、格好つけている訳ではない。そういう文化のそういう飲み物なのだ。大目に見てね。

http://yamagishicoffee.com/

雑草との闘いは人間が勝手に作った概念。でも闘う。


201808 coffee culture
雑誌「珈琲と文化」2018年夏号に拙稿が掲載されたのでHPへ転載しました。雑草との格闘に関してです。ご笑覧ください。
http://yamagishicoffee.com/index.php/letters/archives/223

初摘みコーヒーは破棄


201807 first pick
今年はコーヒーの開花が変だ。うちの農園では、昨年末に少し咲き始め、2~3月に大量に咲いてコナスノーとなったが、その後もチョコチョコと咲き、いまだに咲き続けている。困ったものだ。

一方、収穫は8月頃から始まる予定で、10~12月がピークになると思う。

同じコナでも、畑により開花時期や収穫時期は異なる。今年は標高の低いサウス・コナの農園ではコーヒーの収穫が始まっており、既に3周もしたという話を聞いた。

うちの農園でも、気の早いあわて者の実が赤くなり始めている。予定よりも一カ月も早く赤くなったので、品質は良くない。もったいないけど、赤くなった実や赤くなり始めたものはすべて摘み取って破棄。今年収穫予定量の0.2%位で量は少ない。コーヒーに関しては、いわゆる「一番摘み」「初摘み」の品質はよくない。

http://yamagishicoffee.com/

マカデミアナッツの殻をコーヒー畑に撒く


201807 macnut husk 201807 macnut husk2
マカデミアナッツの殻を買った。コーヒー畑に撒く。一年間に収穫するコーヒーの実の有機物に相当するマカデミアナッツの量はトラック一杯分。それを畑に投入すれば、有機物の量はバランスする。

マカデミアナッツはEM菌をかけて、2週間ほど発酵させた。これに有機肥料を混ぜながらコーヒー畑に撒く。この肥料は魚の骨を炭化させEM菌を混ぜ込んだ物なので、畑中が魚臭い。でも大丈夫、コーヒーは魚臭くなりません。
http://yamagishicoffee.com/

フレーバー石鹸を食べてみた


201807 soap1
日本人が使う英単語で英米とは意味が違うものがある。例えば、ヒップ。日本でヒップとはお尻を指すが、英語のHipは腰(骨盤の横)、あるいは股関節を指す。日本語 でヒップアップとは運動等で骨盤の前傾姿勢を保つ筋肉を鍛えて上向きの美尻を作ることを指すが、英語ではそうは言わない。2月の農園便りで記した通り、そもそも黒人・白人は日本人に比べて骨盤が前傾しているので、お尻は自然体でも上を向いている。

ナイーブも違う。日本で「彼はナイーブだ」というと、「繊細だ」という意味で肯定的に使われることがあるが、英語のNaïveはネガティブな意味。”You are Naïve”などとうっかり言ったら、「世間知らず」、「経験が足りない」という悪口になる。以前、友人が私のコーヒーを「とってもナイーブ」と表現した。純真、素朴、あるいはデリケートな味ぐらいの意味で使ったのだろうが、英語だと経験不足・実力不足のコーヒーとなってしまう。面と向かってそんなことを言われても困る。

コナコーヒーの等級は上から、Extra Fancy, Fancy, No.1, Select, Primeと続く。この中のFancyという単語も要注意。日本語でファンシーは空想的なさま、少女趣味的なさまを表す。確かに、英語でも空想的な意味合いがあるが、より一般的には高級な、豪華な,お洒落なという意味。我々コナコーヒー農家はExtra FancyやFancyを決して「これヤバ、まじでカワイくない?」という意味では使っていない。「高級」という意味である。たとえハローキティの絵のついたExtra Fancy Coffeeがあったとしても(本当にあるかどうかは知らないが)、「キティーちゃんぽくってかわいいコーヒー」という意味ではない。

先日、コーヒーに関する日本のテレビ番組で、「Flavor(香り)」と誤訳しているのを見かけた。これもよくある誤解。英語のFlavorは香りではなく味。口に入れた感覚だ。確かに、古英語では香りを意味したこともあるので英和辞典に香りという訳が載ってはいるが、現代では口に入れた際の感覚を指す。ただし、Taste(味)とは違う。Tasteは甘味 · 酸味 · 塩味 · 苦味 · うま味などの味を意味する。一方、FlavorはTaste(味)に、Aroma(香り)やMouthfeel(口当たり)を統合した感覚を表す。日本語の風味に近い。

日本でフレーバー・ソープなるものを見つけた。香り付き石鹸と言いたいのだろうが、これでは味付き石鹸だ。お土産に配ったら「日本人は石鹸を食べるのか?」と、とてもうけた。そこで、一応念のため食べてみた。封を開けるとイチゴミルクの良い香り。期待は高まる。口に入れたら、なんと本当にイチゴの味がした。最近は日本では石鹸を食べるのかと感心して、調子に乗ってどんどん食べたら、気分が悪くなった。これには泡を食った。ブクブクブクー。やっぱり、石鹸を食べてはいけない。

コーヒーの世界では香りはFragrance/Aroma。Specialty Coffee Associationのカッピングの評価項目は10項目。最初の3項目は、1)Fragrance/Aroma(香り)、 2)Flavor(風味)、3)Aftertaste(後味)。Fragranceがお湯を入れる前の挽いた粉の香り、Aromaはお湯を入れた後の香り。Dry FragranceとWet Aromaともいう。Flavorは味と香りと口当たりを統合したもの。そして、Aftertasteは、コーヒーを飲み込んで、香りや口当たりが消えていった後に残る味、余韻を意味する。

最後に、Yamagishi Coffeeといえば、日本では「山岸が作っているコーヒー」ぐらいの意味だが、ハワイでは「コナで最も品質の良いコーヒー」という意味で使われる。高品質のコーヒーを、This coffee is almost like Yamagishi Coffeeと表現するが、「あの山岸コーヒーに並ぶくらい素晴らしいコーヒー」という最大限の賛辞である。(真っ赤なウソです。そんな賛辞は、わが家でしか通じません。)
http://yamagishicoffee.com/
201807 soap2
201807 soap3
201807 soap4

ホノルルにある鎌倉の大仏様


201806 daibutsu1 201806 daibutsu2
ホノルルのFoster植物園に鎌倉の大仏のレプリカがある。

今年はハワイに日系移民が来てから150年の節目。ちょうど50年前に神奈川県知事が100周年を記念して寄贈したのがこの大仏。

これを見物していたら、アメリカ人の4歳くらいの男児と母親が通り過ぎて、

「ママ、どうしてこの人寝てるの?」

「疲れてるのよ。」

大仏様、お疲れのご様子で。。。

http://yamagishicoffee.com/

コーヒー畑の七面鳥の卵が孵った


201806 turkey1 201806 turkey2 201806 turkey3
七面鳥は4週間も卵を抱えていた。昨日、卵が孵った。9羽。鳥なので雛はしばらく巣で育つのかと思ったら、さっさと歩きだした。母親にくっ付いて行ってしまった。巣にはまだ孵っていない卵がいくつかあるのに、一家で出かけたきり帰ってこなかった。

この時期、親子で行列を作って畑を徘徊する七面鳥が何家族かいる。それぞれ雛はたくさんいても週に一羽づつ減っていき、大人になるのは一家族で1羽か2羽。

昨日の午後は、さっそく家の上空からピーという時代劇風の音が。見上げると、3羽の鷹が上空を旋回。コーヒー畑にはフクロウもマングースもいるし。
http://yamagishicoffee.com/