ここからは、ワイアルアの旧砂糖キビ工場の高い煙突が見える。かつて砂糖キビ産業が盛んだった頃、ここにはきっと日系移民たちの集落があったのだろう。

惹かれるように、ワイルアにあるこの古い墓地を何度か訪れことがある。ここには砂糖キビ畑で働いていた日系移民たちの足跡がある。音のない静かな空間は、ピンと張り詰めた緊張した空気がある。赤土に染まった墓石の中には、しっかりと一千九百年四月五日没と読み取れるものがあある。

日本とハワイ両国間の合意による第1回ハワイ官約移民は、1885年(明治18)年900人以上の人が長い海路を経てハワイにやって来た。100年以上前に彫られた墓石の人物は、幕末から明治を生きた官約移民日系一世のものにちがいない。

この墓地の空間に一際目立つ背丈が2mもある立派な塔が建っている。ワイアナエの山を背景に建つ「三界萬霊」の塔は、布哇在住日本人ワイアルア地方五十年記念会と刻まれている。

「三界萬霊」は日本でも寺院の境内や墓地でよく見かける塔だが、この塔を前にすると当時の人々の想いが伝わってくる。この世にある生命あるものの霊を宿らせ、供養するために建てられた「三界萬霊」の塔には少しばかりのお供えがある。周りの背丈ほどある草々が墓地のある所だけきれいに刈られているのは、今もここを訪れ手を合わせる人がいるのだろう。

三界の一つ「欲界」でさ迷い続ける私は、この世界が末永く平和であってほしいと願う。私たちのできることは、平和を願う気持ちを忘れないで過去の日系移民の想いを過去・現在・未来と繋げることである。

今度訪れる時は、花と線香を持って手を合わせようと思う。


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