
ハワイに戻ってきてすぐに次男坊は学校へ戻ったけれど、長男が通うには学校関係者との話し合いをしなければならなかった。
っというのも、彼は本土滞在中、大きな発作を起こした。
息子が病院の待合室で眠っていたら、突然、顔を左右に大きく振り、手足は痙攣し、眼球がものすごいスピードで動きはじめた。
尋常じゃない。
大声で「ヘルプ!ヘルプ!!」と叫んだ。何十回言ったか分からないほど叫んだ。
すぐにドクターが駆けつけて、
「ボク達が診ますから、ここにあるイスを全部どかして向こうに座っててください」と言われた。
はじめての発作で私は気が狂いそうになった。
発作から3分くらいで、ドクターやナースが30人以上長男の周りを取り囲み、
待合室は、たちまちERと化した。
病院のファミリー・サポートの人が動揺している私のところに来て、
私の手を握りながら、
「あの緑色のシャツを着た人は○○科のドクターです。
黄色いシャツを着た人は○○科のドクターです、
今呼吸器を取り付けているのは…」っと
子供の手当てをしてくれているドクターを教えてくれた後、
「今、全てのドクターが揃いましたから、もう大丈夫です!」と力強く言ってくれた。
「お母さん、深呼吸をしなさい。あなたに必要なのは今、深呼吸をする事です」
彼女は私と一緒に何度も何度も深呼吸をしてくれた。
長男が泣き始めた。
よかった、意識が戻った。
その後、集中治療室に運ばれ、手厚い看護を受けた。
この大きな発作が自宅や学校、機内、
宿泊先じゃなかったのが一番の救いだと思った。
それから長男は発作止めの薬を服用し始めたので、発作は起きていない。
もし発作が起きてしまった場合というので、
鼻の穴にさすスプレーをこれから常に持ち歩く事になった。
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先週、放課後の学校で、私達夫婦、スクール・カウンセラー、
長男が関係している先生、そしてヘルス・ルーム(保健室)の人、
計10人で話し合いをした。
私達は本土でどういう検査をしてきたか、今、どんな薬を服用しているのか、
長男の病状などを報告した。
「発作止めの薬を飲んでいるので、大丈夫だと思いますが、
これからは万が一の為に発作止めの薬を常に携帯しなければなりません。
鼻にシュッシュってするだけです」と話したら、
ヘルス・ルームの人が
「私はナースじゃないので、出来ません!ルールなのよ…」と言って来た。
正直、何のためのヘルス・ルームなのかと思った。
先生が涙を流しながら、
「じゃあ、ナースのいる学校に通うしかないってこと?
彼はこの学校、友達を愛しているのよ。私達だって、彼を愛してるわ…」
感動した。
息子は幸せもんだと思った。
話し合いを進めていく中で、発作が起きたら、どんな軽いものでも、
911、私、主治医に連絡する…という事になった。
私は今まで以上に行動範囲が狭まった。
発作止めの薬を持っているのは私なのだから…。
息子は今、食事規制もあるので、
毎日、半日で下校させようかな…っと言ったら、
「お母さん、体を休めなさい」とスクール・カウンセラーが肩をなでてくれた。
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結局、息子は私の作ったお弁当を持参し、今日から学校に戻った。
長男を一日中見てくれているスペシャル・エジュケーションのMs.Gが
出迎えてくれた。
長男の笑顔がまぶしかった。
目尻が地面にくっ付いちゃうんじゃないかと思うほどニッコリしてた。
私はお弁当の説明をする為にクラス・ルームに行った。
クラスメイトは息子の姿を見て、すっ飛んで来てくれた。
喜んでくれ、いっぱいハグしてくれ、声を掛けてくれ、
子供達を見守る私達大人は朝から感動の涙でした。
Ms.Gについては今度、書きたいと思っているけど、
息子の手が私の手から離れた瞬間、彼女は息子と手を繋いでくれる。
そして彼女は私に「Have a nice day!」と必ず言う。
私が彼をちゃんと見るから、
あなたは買い物をしたり、TVを観たり、ジムに行ったり、
一人の時間を楽しむといいわ…と以前彼女に言われた事がある。
今までドクターに奈落の底に突き落とされる言葉を数々言われてきた。
こんな地獄があるのかと思うほど。
でも私達にはこうしてサポートしてくれる人達がいる。
だから前を向いて歩いていける。
リフレッシュして、また新しい気持ちで子供達と向き合うことが出来ている。
本土に行くまでほんの少しの間だけど、
今までと同じように学校生活を楽しんでもらいたい。
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