■修学旅行事前学習 ------ 東大寺学園編
ハワイの動物・植物について ---- もどる▼
ハワイの動植物
ハワイは海底火山の影響で形成された。昔は海底に沈んでいたのだ。島ができた当初は動物も植物もいなかった。

後に鳥がやってきた。鳥は小さな虫や植物の種をもってきた。また、時々風に乗って小さな種や胞子がとんできた。そういうわけで、ハワイに昔からある植物のほとんど(シダ科の植物、レフアなど)は小さな種をもっている。

海流によって流れ着いた生き物もいる。ハワイのトカゲがそうだ。トカゲは木などの漂流物にのってやってきた。やしの実も海流に流されてやってきたのではないかといわれている。(学者によってはヤシはポリネシア人が持ち込むまでハワイにはなかったという)

人間がハワイにやってきたのは1500年前になる。ポリネシア人である。彼らはアウトリガーカヌーを自由に扱い大海を駆け巡っていたのだ。

彼らがハワイについたとき、哺乳類といえば、コウモリとモンクアザラシくらいだった。両生類にいたってはまったくいなかった。植物も多くの種類がいたわけではない。ハワイの代表的な植物(例えばハイビスカス、プルメリア、タロイモ、パパイヤ、パンダナス、カバ、パンの実など)のほとんどは、当時ハワイにはなかったのだ。それらはすべて、ポリネシア人の持ち込んだ物だ。ハワイ州の木に指定されているククイナッツでさえ、ポリネシア人の持ち込んだ物です。

ハワイの動植物を3種類に分類する方法がある。ひとつはハワイに昔からあった「自生種」。

ふたつめはポリネシア人によって持ち込まれた「ポリネシア外来種」。

最後はキャプテン・クック以来、つまり西洋へのコンタクトの後持ち込まれた「近世外来種」だ。

ハワイのユニークなところは、その自生種のうち90%は固有種だということだ。数にして8800種の固有種をハワイは有している。なぜそういうことがおきたのか。マイヤーの「創始者効果」(創始者原理)で説明できる。

ハワイにきた動植物の数は多くない。そのため、元の集団から少数が隔離された状態になる。少数の種は、小さなグループの中で繁殖を繰り返す。こうした条件では、進化率が早くなる。そのため、隔離された小さな集団は進化を繰り返し、違う種になる。

例えば、ロベリア(サワギチョウの仲間)はたった1種類から100種類の違った種を生んだ。ミツスイという鳥も、もともとは1種類だったが、現在は50種類が知られている。ただ、ハワイ原産の動植物の多くは、現在絶滅の危機にさらされている。すでに1000種以上が絶滅した。オアフ島の低地で、ハワイ原産の生物を目にすることはまずない。

そこで、ハワイの絶滅危惧種についてジェイムズ・クックがもたらしたものを考える。彼は1788年にハワイ諸島に上陸し、食料用に船に積んできたヤギやブタを野に放した。

ヤギは肉食獣がおらず、餌が豊富だという天国のような環境によってたちまち増え、島の植物の脅威となった。その影響は今も続いており何らかの形で保護が必要だといわれている植物は275種にものぼる。

ブタはそれ以前にもいたのだがそれはあくまでポリネシアからつれてこられた小型種であり、クック船長がもたらした大型種のように野生にかえるほどの力はなく、したがって植物への影響はほとんどなかった。大型種のブタはヤギと同じように広がり、草を食い、若い木を食い、植物に多くの害を与えている。

しかし、当時は無人島に次に来たときのためにヤギやブタを無人島に放すのは常識だったようでクック船長を悪者にすることはできないらしい。

今のハワイ諸島でもうひとつ大きな害を植物に与えたのはシカである。ブラック・テイルというこのシカが狩猟のためにオレゴン州から導入されたのはわずか30年前であった。ヤギやブタと違いこのシカは隠れて森に生息するので駆除はおろか生息数さえ確認できないという。

ハワイ諸島に自生していた固有の動植物は平地で外来種に追われ、山ではヤギやブタに追われ、その結果として多くのものが絶滅の危機を迎えている。

次に海の生物についてだが、ハワイにはパール・アンド・ハームズ環礁という水深3メートルほどのさんご礁がある。そこにはチョウチョウウオやシマハギといったさまざまな熱帯魚が住んでいる。 また、海岸にはモンクアザラシという、亜熱帯地域に定住する世界で2種しかいないアザラシのうちの1種が見られる。モンクアザラシは19世紀には約100頭にまで減ったが、その後の保護によって1500頭にまで回復した。

さらに、アオウミガメを見ることも可能だ。このカメはもともと生存率が低いにもかかわらず、ハワイに住むものは個体数を維持している。

ハワイのきれいな波打ち際にはたくさんの生物がいる。例えば、ハワイ名で「くつろぐ」という意味のオオイワガニ、貝類では美味で昔からこれをとるために死ぬ人が絶えなかったことから死の貝といわれるブラックフットオピヒ。(これはハワイ特有の生物でもある)そしてハワイとハワイ西1000kmにあるジョンストン島にしかほとんどいない夜行性の貝・ブラックネリテ。また、水がなくても1年は生きることができるというペリウィング、長さ13cmくらいの食用でハワイ名が「火」という意味のハチジョウダカラなどの貝がいる。

魚では、水たまりなどにすみ、他の魚が住めないような水温、塩分濃度変化にたえるゼブララブレニーなどがいる。

海草には、ハワイで最も一般的なシーレタス、タートルリムがあり、これらは魚やウミガメのえさとなる。

最後に火山の植物についてだが、1959〜1960年のキラウェア火山の噴火によって、火山一帯の草木は全滅した。また、1960年、パパイヤ林、サトウキビ畑、ラン畑が打撃を受けたことからキラウェア火山というのは付近の動植物にとってかなりの脅威であると考えられる。

<参考文献>「ハワイイ紀行」 新潮社  池澤夏樹著
   「未踏の大自然/ハワイ」 タイム・ライフ・ブックス

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