■カツオノエボシ■
[鰹の烏帽子,Physalia physalis utriculus]
カツオノエボシ科(physaliidae)に属する、アフリカやアンティル諸島の温水海域にたくさん生息する恐ろしい種で、別名を「デンキクラゲ」とも呼ばれるクラゲ。1個の大きい青藍色の気胞体で水面に浮かび、下面に指形の栄養体、樹枝状の生殖体など各種のポリプを懸垂する。これらは海面に半透明、あるいは桃色または青色調で浮遊する。傘の直径7〜13cm、体長(気胞体)は10〜15cm、触手は30cm〜2mほどだが、大きいものになると触手は10mを超し、30mは危険地帯と見ないといけない。この種に刺されると鞭で叩かれたような激痛を生じ,その直後に膨疹が出現して、浮腫を起こす。
時おり発熱,衰弱,呼吸困難,虚脱,呼吸停止が起こり、一人で泳いでいた時は重大な結末となることがある。カツオノエボシの毒は高分子化合物で個体感受性があり、初回の接触より2回目の方が常に重篤となる。この毒は沖縄に生息する毒蛇のハブの数倍の強さと言われるほど強力で、毒を注入する棘の勢いは外科手術用の手袋を貫通する威力がある。刺された者は直ちに水から上げ、グルコン酸カルシウム,抗ヒスタミン薬、またはステロイドを投与する。健常な皮膚面は砂やぼろ布で擦り、皮内に残った刺胞を除去して,アルコールや油を塗布して抗ヒスタミン薬を使用する。時には人工呼吸が必要なこともある。
また、このクラゲは群体で多くの小さなクラゲが集まって一つのクラゲを形成している。
そして、時化の後の海には、切れた触手のみが漂っていることもあるので海水浴には注意を要する。春一番、メイストーム、台風などで砂浜が青く見えるほど大量に打ち上げられることがある。シュノーケリング中にシュノーケルから吸い込んでしまい気管切開手術を受けた例もあり、このクラゲが流されてきたら海に入らない方が賢明であると言えそうだ。
■レフア・オヒア■
(Lehua Ohia)
オヒアは、ハワイ固有種の樹木で、その木に咲く赤い花をレフアと呼ぶ。主にハワイ島の火山(マウナ・ケアやマウナ・ロア、キラウェアなど)の周辺の溶岩台地に分布し、ふさふさした深紅の花を咲かせる。レフアの花は、火の女神ペレにまつわる神聖な花とされている。また、珍しく黄色やピンク、白になることがあるようである。レフアは、「ビッグ・アイランド」とも呼ばれる火山の島・ハワイ島の島花であり、レイに使われることもある。
島の北東部は降水量が多く熱帯雨林を形成しており、レフア・オヒアはその優占種となっている。赤褐色のアパパネや、同じく赤く、カーブしたくちばしを持つイイウイなどのハワイ固有種の鳥にとって、その花の蜜は食料として重要である。伝説では、女神ペレがオヒアという美青年に一目惚れしたが、オヒアにはレフアと言う恋人がいた為、ペレは怒ってオヒアを木に変えてしまった。嘆き悲しむレフアに、神様が同情して、オヒアの木に咲かせるようにした。そのためレフアの花を摘むと、ペレや二人が悲しんで雨を降らせると言われている。せっかく一緒になれたのに、また引き裂かれてしまうレフアの涙が雨になって降るのだと伝えられているようである。
■ハワイの鳥事情とネネ■
ハワイのように人口が少なく、隔離された場所では進化が早い。本来15種類しかいなかった野鳥が進化の結果、105種類に増えてしまったのである。もっとも、そのうち35種類はポリネシア人の乱獲によって絶滅してしまったのだが。その後、キャプテン・クックがハワイを訪れ、西洋との接触が始まったと見られる。それは環境を急激に変えてしまい、さらに23種類の鳥を絶滅に追い込んだ。残るのは47種類。そして今、彼らも絶滅の危機に瀕している。原種の鳥にとってハワイは住み良い場所ではないようである。
ハワイにいる外来種は約160種類。インド原産で縄張り意識の強いシャマのように、エレパイオやアマキヒといったハワイ固有種を追い払ってしまう輩もいる。
また、いろいろな病気が持ち込まれた。外来種は病気に抵抗力があるため伝染病のキャリアーとなった。ハワイには本来蚊がいなかったが、人によって持ち込まれてからは鳥のマラリアが蔓延した。その他、ハワイ島にはカリヒフィーザントというインド産のキジを多く見かけるが、国立公園では狩猟が禁止されているため、そこではキジが人になついている。そのキジが伝染病をまき散らしているらしいのだ。
そんな中、絶滅の危機から蘇った鳥がネネだ。ハワイ固有のガチョウで学名はブランタサンドビセンシス(Branta sandvicensis)。サンドビセンはサンドイッチ諸島という昔のハワイ諸島の呼び名を表している。また、ネネはハワイを代表する鳥、「州鳥」(ステート・バート)で、英名はハワイアン・グースなのだが、ハワイでは公式にはハワイ語名のネネ(nene)で呼ばれる。この名前、鳴き声が「ネ、ネ」と聞こえるところから来たようである。
ところでネネの減少の理由はいくつかある。開発による生息地の減少や、食料として捕獲もされた。ネズミ駆除のために持ち込まれたマングースにも襲われた。そのため一時は絶滅したかのようにみえたが、ハーバル・シップマンが個人的にネネを30匹も保護していた。つまり、現在のネネはすべてシップマンのネネの血をひいているのである。
その後、イギリスのピーター・スコット伯爵がネネをマウイ島のハレアカクレーターに移した。同様にハワイ島のポハクロアにも、ネネは移されている。この2箇所は標高が高く冷え込むため、寒すぎてマングースは生きられない。ネネの避難場所としてはもってこいなのである。標高の高い所には、ネネの大好物でもあるクカイネネという植物も黒い実をつける。食料にも事欠かない。
その他、人の多くの献身的な助けがあり、ネネの個体数は着実に増加していて、現在ではいたる所でその姿を見ることができる。ホノルルの動物園や、ワイメアフォールスパークにもいる。マウイのハレアカラやハワイ島のキラウェアでは野生化したネネもいるのである。
■パパイヤ■
(papaya,tree melon)
パパイヤ科パパイヤ属
熱帯アメリカ原産で常緑の草本状低木。16世紀初期にスペインの探検隊によって発見され、世界に伝わり、熱帯、亜熱帯の各地で栽培される。植物全体に白い汁液を含み、傷つけると漫出してくる。青い若果はウリのように野菜として用い、熟した果実は生食する。日本へはハワイ産ソロ種を中心に年間5000t余りが輸入される。果肉には黄・橙赤色の2種があり、特有の香りがして甘い。少しやわらかくなったころが食べごろである。果肉にはたんぱく質分解酵素のパパインが含まれ、肉を軟化したり、消化を助ける効果があるほかビタミンC・Aも豊富。果実を縦に半分または回つ切りにし、スプーンですくって食べる。レモンやライムを絞ってかけるとにおいも気にならない。
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