| ■1 ハワイの生物相と固有率
ハワイの生物は隔離された環境のなかで独自の進化を遂げたもののみからなるために、一般に大陸では見られないユニークなもの、つまり固有種が多い。例としては、高等植物では89%鳥類は90%昆虫類は99%の固有率を誇っている。また特定の動植物がごっそり欠けているという特徴もある。植物では大陸では生態的には重要な位置を占める裸子植物(マツ科、ヒノキ科)やドングリの実をつけるブナ科、海岸のマングローブなどが欠けている。鳥類では、陸鳥の場合、世界に現生している84種のうち定着しているのはわずか6科(カラス科、ヒタキ科、ミツスイ科、アトリ科、タカ科、フクロウ科)しかいない。両生類や爬虫類はウミガメを除いて全く存在せず哺乳類もハワイオオコウモリ以外はいない。昆虫でも同じ傾向が見られる。
■2 ハワイの植生
ハワイでは多様な地形、気候のため植生も多様である。まず、海抜従って次の5つ植生を設ける。
(1)海岸帯(0〜300m)
(2)低地帯(15〜2000m)
(3)山地帯(500〜2700m)
(4)亜高山帯(1700〜3000m)
(5)高山帯(3000m〜)
次にこれらを年降水量で区分する。
(1) 海岸帯:直接に海の影響を受ける場所を指す。こうした場所には塩分に耐性を持った種が出現する。〈波打ち際〉グンバイヒルガオ、ハマゴウ、ネズミノオ、〈海岸〉モンパノキ、クサトベラ〈海岸林〉ハスノハギリ、アジアの熱帯海岸域で目立つのがマングローブであるが、ハワイにはマングローブは存在しない。
(2) 低地帯:特定の種が広く優占することはなく、ハワイの人たちがサトウキビ畑、パイナップル畑、牧場、住宅地、ゴルフ場、リゾート地へ利用されており、今では在来の植生は殆ど残っていない。
(3) 丘陵帯:オヒアやコアが優占する高木林が成立する。また多くの帰化植物が生育している。
(4) 山地帯
山地帯@:海抜1200m〜2200mで年間降水量2500oを越える場所にはオヒア林が見られシダ植物やコケなどがびっしりと樹幹に着生している。
山地帯A:@より湿性な山地帯で高層湿原になっている。
山地帯B:少し乾燥した立地ではコアの生育が見られる。
(5) 亜高山帯:マウイ島のハレアカラ山とハワイ島のマウナ・ケア山、マウナ・ロア山にのみ存在する。乾燥した気候のためイネ科草原が広がっている。
(6) 高山帯:過酷な環境のためコケの一種がよく見られるが、キク科の個有種である銀剣草の存在はとても驚かれている。
■3 近親交配を防ぐしくみ
少数個体から出発せざるを得ない島の個体群は近親交配による遺伝子的な劣化にさらされやすい。島の植物ではこれを防ぐ手段として雌雄異株性を進化させることがある。そうすることによって受粉のためには昆虫や風の働きが必要になり、異なる遺伝子が混ざり合う機会が増えるわけである。ハワイの高等植物の27.5%が雌雄異種である。また両性花(雌雄同株)であっても花粉をとばす時期とめしべの柱頭が成熟して花粉を受け入れる時期が異なり自家受粉できないものがあり、それらを含めると72.9%の種が近親交配を避けるしくみを持っていることになる。
■4 砂糖とパイナップル
砂糖産業は1802年から始まり1850年代にはハワイの主産業となった。砂糖には大量の水と肥料が必要であったので砂糖産業と共に関連産業も発達し、プランテーションの白人オーナー達はそれらの関連分野を支配した。その後ビッグファイブという支配階級を築き、ハワイ王朝を倒して米国へ合併するほどまでになった。プランテーション農業のもう一つはパイナップルである。パイナップルは1903年から生産を始め1940年には世界の生産の80%を占めるまでに発展した。しかし現在は両産業とも新興国の参入によりシェアを奪われ、ハワイから撤退し始めている。
■5 帰化植物
楽園ハワイのイメージを形成するのに外来種は欠かせない存在になってきている。以下はいくつかの代表例。
※アメリカネム:「この木なんの木」のCMで有名。直径40mになることも。
※ハイビスカス:1923年にはハワイ州花に指定された。
その他にも、プルメリア、カエンボク、ゴールド・ツリー、バニヤン・ツリーなどがある。
ハワイで野性化し,在来の植生に大きな影響を与えることが問題となっている。
※ミコニア:おそろしい繁殖力で毎年10万粒の種子をつくる。
※ファイア・ツリー:共生する細菌のおかげで火山の近くに進出できる。
※マリファナ:長い間対外輸出1位の農作物と言われていた(もっとも裏の世界のはなし)ヘリコプターなどで根こそぎ駆除した。
その他にもギンネム、キアベクリスマス・ベリーなどがある。
■6 ハワイの動物
(1) ハワイガラス: 森林に14羽が生存する絶滅危惧種、他にもネネ(ハワイガン)、ハワイモンクアザラシなどは野生化したペットなどにより絶滅危惧種である。
ハワイの生物は隔離された環境のなかで独自の進化を遂げたもののみからなるために、一般に大陸では見られないユニークなもの、つまり固有種が多い。例としては、高等植物では89%鳥類は90%昆虫類は99%の固有率を誇っている。また特定の動植物がごっそり欠けているという特徴もある。植物では大陸では生態的には重要な位置を占める裸子植物(マツ科、ヒノキ科)やドングリの実をつけるブナ科、海岸のマングローブなどが欠けている。鳥類では、陸鳥の場合、世界に現生している84種のうち定着しているのはわずか6科(カラス科、ヒタキ科、ミツスイ科、アトリ科、タカ科、フクロウ科)しかいない。両生類や爬虫類はウミガメを除いて全く存在せず哺乳類もハワイオオコウモリ以外はいない。昆虫でも同じ傾向が見られる。
■7 帰化動物
(1) マングース: 雑食性で何でも食べる。サトウキビ畑のネズミ退治のために導入したが、今では海鳥の最大の脅威となっている。ネネ(ハワイガン)もよく襲われている。
(2) ヤギ: 厳しい乾燥に耐えるので食料確保のため遊牧したが、植物を食べ、糞によって土壌を富栄養化することにより帰化植物の侵入を助けている。
野ネコ: ハワイ諸島全体で50万匹おり、もともと捕食者のいないハワイの中で進化した多くの固有種の「恐れ知らず」な性質も合わさり、ハワイミツスイ、ハワイガラス、ネネ(ハワイガン)などの絶滅危惧種が現在も捕食されている。
■8 ペットの検疫
ハワイにペットを持ち込む場合は120日間検疫所指定の施設で隔離生活を送り、飼育費や検査料700ドルを支払わなければならない。しかし新しい案では30日間の拘留期間にして予防注射やマイクロチップを皮膚内に移植するなどの条件をクリアすれば良いことになった。ただし条件を満たさない場合は120日間の拘留となる。外来の動植物はハワイの生態系を破壊する恐れがあるため、違法に生物を飼育するとかなり厳しい罰を受ける。その例として1996年ニシキヘビを飼育していた男性が懲役1年、罰金2万5000ドルという厳しい罰を言い渡されたというものがある。
■9 自然を守る施設
ハワイには4つの国立公園、9つの国立野生生物保護区、18の州立自然地域保護区、そして自然保護団体が管理する10ヶ所の保護区がありその他にも自然公園など様々な保護施設がある。
|