| 〈日本に近づいて来ているハワイとその理由〉
日本とアメリカは共同で、日本の茨城県鹿島とハワイ諸島のカウアイ島の距離を、数年間に渡って、高い精度で測定した。その測定方法は、数十億光年も離れた天体から来る電波の鹿島とカウアイ島のアンテナに到着するわずかな時間のずれをとらえ、この二点間の距離を換算するものであった。その結果、カウアイ島は、一年間に約八センチメートルずつ西北西に移動していることが分かった。
カウアイ島が動くというのは、太平洋プレートの上に存在するからである。プレートと言うのは地殻とマントル上部の一部からなる厚さ七十〜百五十キロメートルくらいの範囲で、十数枚ほどで全地球をおおっている。
では何故プレートが動くのであろうか。それは千九百四十年頃にさかのぼる。千九百四十年頃、イギリスのアーサー=ホームズはマントル対流による大陸移動説を主張していた。マントル(地殻と核にはさまれた岩石の層のこと。深さ約二千九百キロメートルまで続いている)は固体であるが、長い年月のうちには流体と同じように動き、マントル内で対流をしているという。このマントル対流説は初めあまり支持を得られなかったが、千九百六十年初め頃、海底地学の進歩によって中央海嶺(ホームズの考えたようにマントルには一年に数センチメートル移動するという大規模な対流がある。中央海嶺とは大西洋や太平洋の中央にあるこの対流するマントルの上昇するところのことで、プレートが生み出されるところである。マントルは互いに離れていく二つのプレートの隙間をうめるように地球内部からわきだしてくる。)が発見され、マントル対流説が確実なものとなってから、マントルの対流(マントルが動くのは、マントルの温度が場所ごとに異なっており、水が対流によって運動するのと同じように、マントルも対流していると思われている。マントル対流は、海嶺の部分で上昇し、海底に沿って移動して海溝でマントルの中に沈みこんでいる。)地球内部のエネルギーを運び、プレートを動かす原動力と考えられている。
このようにして、ハワイが存在する東太平洋でできた太平洋プレートも、マントル対流の影響で西北西の方角に動かされ、日本付近の海溝に沈んでいくのである。このことからカウアイ島が一年で約八センチメートルずつ日本に近づいて来ていることがわかるのである。
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