最近「引き籠り」だとか「独居老人」とかの噂が立ち始めたR60★亀(亀次朗)であります。
たまの一日、田舎の空気を吸いに出かけてみたもんです。
この記事は極めて個人的なものですのでスルーして頂いて構いません。
亀次朗亡きあとに亀家墓参りの参考になればと息子達に残す備忘録のようなものです。
この記事は2018年(平成30年)04月23日のものです。
タイル亀次朗


鉄道が開通する以前の時代、この国への物流はもっぱら富士川を遡上する水運に大きく依存していました。河口から鰍沢までは深い川底と豊富な水量を利しての水運、そこから先は主に馬車や大八車で消費地である甲府まで運ばれていたんです。その後、鰍沢と甲府を結ぶ軽便鉄道が開通して大盛況となります。流行の先端は川船に依って、そして軽便鉄道に乗ってやってきます。鰍沢町の古老が「ロンドン・パリ・鰍沢」と自慢げに語るのはそうした文化の担い手だった華やかなりし頃の思い出が根強く残っているからなのでしょう。ゆえに軽便鉄道は鰍沢から甲府に向かのがう「下り」、甲府から鰍沢に向かうのが「上り」でありました。
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鉄道が開通し、追い打ちを掛けるように国道20号線笹子トンネル(旧道)がぶち抜かれて甲府と東京市とが直結してしまいました。鰍沢が栄華を誇った時代はあっという間に過ぎ去ってしまいました。伝聞によりますと一挙に不景気になった鰍沢から夜逃げして甲府に移り住んだのは亀次朗の祖父家族だけではなかったそうです。今では通過する車両すら殆ど見かけない閑散とした街並みであります。
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さて能書きはともかく現時点で一番実現可能な方法で鰍沢を目指しましょう。国鉄身延線に鰍沢口という駅がありますからそこからバスかタクシーという考えもあるでしょう。しっかしタクシー乗り場があってもタクシーが待機しているとは限りません。町営バスもあるようですが、もっぱら遠距離通学の子供たちのためのものであって朝夕中心の運航ダイヤであります。
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ここはやはり中央線甲府駅から山梨交通バスに1時間揺られて鰍沢まで行ってみましょう。バス停は駅前ロータリー一番乗り場。長い時間乗るからお手洗いに行っておきましょう。
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今回目指すのは恵命山蓮華寺という、この寂れた町にあってとても立派な日蓮宗のお寺さんです。どのバス停で降りたら良いのか分からなかったので「昔の鰍沢病院の跡地」ってバスの運転手さんにお尋ねしたんだけど全く通じません。仕方なくバスの一番前の席に陣取って昔の記憶を辿ってそれらしき場所で降ろしてもらう作戦です。
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バスを降りたのは「鰍沢中学校入口」というバス停です。この先の路地を右に曲がれば蓮華寺に到着です。それでも分からなかったら「大法師公園」の入り口と道行く人にお尋ねください。もっとも人が歩いているのを見つけるのも困難かもしれませんが。
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緩やかな階段を昇り山門をくぐれば広い敷地に大きな本堂がその堂々たる威容を現します。このお寺は日蓮宗の古刹です。また明治期に鰍沢で最初の小学校が設立された、云わば鰍沢文化の発祥地でもあります。
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亀次朗母が亡くなったのが6月、父が亡くなったのが7月。なもんだから亀家の法事は大概初夏の暑苦しい日ばかりでした。このお寺が隠れた紅葉の名所だなんって今回初めて知りました。紅葉の時期に再訪する事が出来るでしょうか。亀次朗にはあまり時間が残されていません。
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水桶をお借りしてお墓に向かいましょう。次いでですが線香やライターを忘れても大丈夫。無人の線香売り場にチャッカマンが備わっています。ついでですがお手洗いは本堂から庫裏に向かう渡り廊下にありました。
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こっから先はほんまにどうでもいい話です。亀家のお墓は本堂を右手摺に回り込んで、本堂の外れで左折します。緩やかな坂道を辿っていくと途中に小さな沢を渡ります。ここがこの寺の境界です。つまり亀家のお墓は蓮華寺境内には無いのですが便宜上蓮華寺から歩いています。正確に書けば書く程分かりにくくなってしまうんです。すみません。
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沢を渡って道なりに進んだ左手に亀家の黒御影石の墓石を探してください。この一角には同じ苗字・同じ家紋の墓石が6~7基集中してます。きっとどこかで血縁が繋がっていたんでしょうけど亡き父存命中の頃ですら一言も伝承を受けていないんです。宮大工だったという祖父の時代に夜逃げした亀家の末裔としては過去の闇の中のお話しであります。
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枯葉を払いのけ、草むしりを終えて墓石を清めます。お供えは甲府駅前で買い求めたウィスキーの小瓶と塩おにぎり。雲丹の瓶には自宅から除草剤を入れて持ってきました。次回いつ墓参に来れるか分からない親不孝者の気まぐれな旅でありました。
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【おまけ】
ここまで読んでくださった有難い皆さんに感謝を込めて。いつだか記事にした青柳町の造り酒屋「萬屋酒造店」にはこのバスルートを使えば行くことができます。「追分」というバス停の真ん前です。たっぷりと試飲してみてくだされ。酔っぱらってもバスに乗れば甲府駅まで連れて行ってくれます。バスは凡そ一時間に一本だから程良く酔っぱらってバス停で甲府行きのバスを待ちます。
過去の記事⇒
http://www.mo-hawaii.com/kogemeshi/24891.html
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