
ハワイブログの中でお付き合いいただいたベネチア報告も、そろそろ一区切りつけようと思います。ご紹介したい写真がいっぱいあってどれも捨てがたいものですから、最後はちょっと散漫になってしまいました。
ベネチアを舞台にした映画はたくさんあるのですが、キャサリン・ヘプバーンとロッサノ・ブラッツィが主演した「旅情」はご存知でしょうか?(原題:Summer Time)1955年公開(!)のかなり古い映画ですが、ベネチアの美しい情景が描かれていて、旅行に出かける前にビデオを借りて旅の予習をしました。
トップの写真に写っている緑のシェードのかわいいお店は、その映画の中で二人が二度目に出会う場所です。その前日に、サンマルコ広場でのちょっとした出会いがあるのですが、映画の中ではロッサノ・ブラッツィがこの店の店主で、そうとは知らずに、キャサリン・ヘプバーンがショーウインドウのゴブレットに惹かれて入ってきます。
映画に登場したこの店が今でもそのまま残っていると聞き、ぜひとも見に行きたいと考えていましたが、ホテルのフロントで場所を調べてもらって訪れることができました。周囲の情景も、50年前とほとんど変わっていないようでした。このお店を訪れることが今回の旅行のテーマの一つでしたので、実物を目にした時はとても嬉しかったです。映画の場面を思い起こし、周辺を歩いたり、お店を訪れたりして楽しく過ごしました。

さて、サンマルコ広場は、昼間は観光客であふれかえります。カフェでくつろぐ人、みやげ物の屋台をのぞく人、鳩にえさをやって喜んでいる子ども達(大人達も)。
そんなサンマルコ広場も、夜ともなればがらりと雰囲気が変わります。回りの建物の明かりの中に暗く沈み、昼間の喧騒とは別世界です。青空の下の底抜けの明るさもいいのですが、石造りの建物が夜の闇に静かにたたずんでいるのを見るのもいいものでした。

大運河にかかるリアルト橋は、それ自体が格好の被写体となっていますが、橋の上から見下ろす大運河の情景も人気があり、いつも観光客でいっぱいでした。右の写真は、そんな中に分け入って撮ったものです。早朝ですから、川べりのレストランなどは、まだ営業開始前です。それでも、通勤客を乗せたヴァポレットや、荷物を運ぶ営業車、じゃなくて営業船が行き交って、とても活気があります。

同じところから、夜の情景を見るとこんな感じです。川辺のレストランの明かりが水面に映え、美しく揺らめいていました。つたない写真ですが、その美しさの何分の一でも感じ取っていただければ嬉しいです。と、いうことで、長らくお付き合いいただいたベネチア報告、これにてお終いとさせていただきます。
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